TOP / STORY TOP(re-rendaring dawn) / SCENE 012
3学期も残すところあと1週間、既に短縮授業期間に入った学校は 午前中で終わる。
今日はバイトも休みで、午後からヒマだが、特にやる事のない月曜のお昼過ぎ、リビングのソファに寝転がりながら 何気なくliv.netを眺めていた。
「賞金も賞品もなさそうなのに、みんな物好きだなあ…盛り上がり方がカオスじゃねえか」
学校だけでなく、マスコミや政府までもが、liv.netについて積極的参加を促していて、どこを見ても今やアイギアの中はその話題一色だった。
ivメッセージの解読依頼は、実はARPの不具合はサイバーテロで、それを隠すためのスケープゴートであるというような陰謀論や、そもそも非独占システムであるはずのARPの私的利用だと、依頼行為とliv.netの存在自体を批判する声もある中、メッセージ解読に関する書き込みは加速度的に伸び、それをARPとユーザーがほぼリアルタイムにまとめて整理していく様を見ているだけでも、キヨの言う通り、なかなか見応えのある面白いものだった。
ノイズメッセージは、僕だけでなく世界中の人々に届いているようだったが、受信時刻的に、1週間前のあの夜に見たあのメッセージが最初だったようで、その1stメッセージを受け取った人はそんなに多くないらしく、その共通点から意味やヒントを見出そうと、1st メッセージ受信者に名乗り出るような書き込みもあった。
なぜ僕は最初の受信者に選ばれたのか?
何か意味があるのか?それとも偶々?
謎解きやミステリーは嫌いじゃないので、ワクワクする気持ちもあるが、このノイズメッセージが一体何なのか皆目見当もつかないし、僕にはこれを解読する知識もアイデアもない。キヨと同じく、ただのギャラリーとしてliv.netを見守る立場が僕にはお似合いだ。