TOP / STORY TOP(re-rendaring dawn) / SCENE 008
念願だった自分だけの研究室を持ち、研究者として忙しい日々を送るエリザの元に、世界電子議会(World e-Parliament Committee)から1通目の招集令状が届いたのは、長い冬がなかなか終わらない 今年 2005年3月のはじめの頃。
漫画やアニメ好きが昂じて、日本へ語学留学に行きたいと言い出した 娘のイヴァを空港まで送り、帰宅した日の夕方だった。
その日を境に、執拗に呼び出しがかかる聴取と研究で、エリザの毎日は多忙を極めた。
それから半年ほど経った、夏の終わり。
日本に渡ったイヴァが、消息を絶った。
すぐにでも日本へ飛んで行き、イヴァを探したかったが、すでに議会から重要参考人扱いされていたエリザには、国外への渡航許可が下りず、捜索は日本の警察に任せる他なく、発見の連絡もないまま 時間だけが無情にも過ぎていった。
当然、研究など手につくはずもなく、言いがかりのような議会の聴取にも疲弊し、言われるがままにARPの開発から手を引く事となったのだった。